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大井町 昭和から今

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2017-01-19

dentanetc_0003.jpg朝日新聞に掲載されました

(伝単)のこと

昭和20年7月14日 午前11時。空襲警報発令。間もなく爆音が聞かれましたが、通常のB-29爆撃機の編隊とは違った音でした。表通りが騒がしいので出て見たら、巡査や憲兵が慌ただしく走り回っていました。ふと見上げた夏空に舞っている白いビラを追って、官憲はそのビラの回収に飛び回っていたのです。
 たまたま自宅の裏にヒラヒラ落ちて来たビラを見つけ、急いで胸のポケットにしまいこんだところ、近寄ってきた憲兵から執拗な尋問を受けましたが、知らぬ存ぜぬで逃げ切りました。当時私は清水高等商船学校(現海洋大学)生徒で、海軍予備生徒(準士官の下、下士官の上の位)として軍籍に編入されていましたので、純白な軍装の私にはそれ以上の検査ができなかったのでしょう。
 家に入りそのビラを見て驚きました。マニラの米軍が発行した『落下傘ニュース』と『南海の孤島補給途絶えて一年』の2枚のビラに敗戦濃厚な日本の姿が書かれていたからです。半信半疑でしたが日本の現状がおぼろげながら推察され、過酷な訓練で体調を崩し自宅療養していた私は時局の重大さを感じ急遽学校に戻りましたが、その一ヶ月後に終戦。
 その後、今日までこのビラを『青春の貴重な思い出』として大切に保管して来ました。
あの大戦の貴重な記録を風化させない為にも、次世代の人々がこのような資料を見て、無意味な戦争の真実を知り、二度と同じ過ちを犯さない平和な生活を享受してほしいと願うものです。

2010.6.22 津田様談

伝単(でんたん)とは、戦時において相手国民、兵士の戦意喪失を目的として配布する宣伝謀略用の印刷物(ビラ)。その語源は物事を伝える紙片という意味の中国語である。

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落下傘ニュース 表

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落下傘ニュース 裏

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南海の孤島 補給途絶えて一年

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南海の孤島 補給途絶えて一年